その昔、岩手県の盛岡市に「花太郎」という居酒屋があった。藤あや子に顔立ちが似ているおかみさんが(言い過ぎか(笑))一人で切り盛りしていたお店で、そこも震災の年の冬に初めて入って以来つい数年前まで通った店だった。岩手県の日本酒の品ぞろえが幅広くて、シメには岩手の「ボリ」というキノコを入れてひっつみを作ってくれた。語感からわかると思うが、もう閉めてしまったお店だ。
そこではおかみさんとマンツーマンで飲むことも多く、マー君の楽天優勝の瞬間もおかみさんと二人でのんびり酒を飲みながら観た。彼女がいつも「山形の蕎麦は美味しい、どの店に行っても美味しい」と言うので、数年前に初めて行って見たら(「刷り込み」の影響もあるかもしれないが)ほんとに美味しくて、大好きになってしまった。
山形以外にも蕎麦が有名な土地は日本中何か所かあるが、僕が行った範囲で好きなのはべたなところで長野県松本(ここで僕いちばんのおすすめは駅ビル内外側に向かって入り口のある立ち食いの小木曽製紛所)、熊本県黒川温泉近く小国の蕎麦街道、長野県松本近郊にある山形村の蕎麦街道、あと変わったところでは奈良県十津川村の蕎麦、この四か所くらいかな。
小木曽製紛所以外はすべて、交通の便が悪いところにあって、どことは言わないが、バスを降りてえっちらおっちら蕎麦を食いに行ったら、店内で地元のおっちゃんたちがそばを食いながら昼間から一杯やっていたことがある。
僕も蕎麦前の日本酒をお願いして、ほろ酔いで蕎麦をいただいていたのだが、そろそろ帰ろうかなと思ったら急にまたバス停まで歩くのが億劫に。そこで一計を案じた。
(ちなみにまだGoogleマップなんてなかったころの話である。マーク・ザッカーバーグが学生時代に始めたばかりのFacebookパイロット版で海外の友人たちと遊んでいたころだったかな。その前かな。)
酔っぱらっているオジサンたちに、
「〇〇のバス停まで行ってバスに乗ろうと思うんですけど、バス停までの近道ってありますかねぇ?ここまで歩いてくるの遠かったんで。」(もちろん紙の地図で確認済み、近道なんてない。)
酔っ払い一同「えっ!あんなとこまで歩いていくの?そりゃ大変だ。ここらはタクシーも来ないしな・・・」
酔っ払いA氏「俺そろそろ帰るから車で送ってってあげるよ。」
ということで、古い人ならご存じの小田実さんの『何でも見てやろう』方式で、なんなくバス停までの足を手に入れた(笑)。
『何でも見てやろう』は読んだことはなかったしいまだ読んでいないが、旅先で他人の厚意を引き出すという彼のメソッドは旅をしていれば自然にやっていること。アジア各国では特に有効だった。もっともそれは若者だけの特権、この年になってまで意識的にはやらない。頼まずとも先方からやってくださることは多いが。
ということで、その親切な酔っ払いA氏のデカいクラウンに乗ってバス停まで向かったのだが、僕はもちろんそのA氏もそこそこの酔っ払い(笑)。クラウンはデカいので衝撃の吸収もよく高速かつふんわりとゆりかごのようにバス停まで畑の中の近道を走っていった。気が付くと、周りは蕎麦畑、蕎麦の花が楽園のように咲きほこっていた。
泥酔運転ながら、特に問題なくバス停まで送ってもらって帰ってきたが、実はその酔っ払いA氏、地元の議会の議員さんだった(笑)。
のんびりしたいい時代でしたね。
あ、一つ注意。
正義感にあふれた人はこのブログ読まないほうがいいと思いますよ。ド正論で文句言われても対応しないことにしてるんで、私。仕事でも(笑)。論戦も質問も吹っ掛けられても返信しません。
思い出話はそれくらいにして、
昨日はとうとう帰宅日。最後の最後まで楽しもうと、上野に帰る山形新幹線は最終20:43発を取った。チェックアウト10時、残り時間はたっぷり10時間ほど。
まだ時間も早かったので、見たことがなかった山形城の城跡を見に行く。前日からなんとなく思っていたが、山形って空襲があまりなかったのかもしれない。街を歩いていて、古い建物が結構残っているなと思った。
ま、検索すれば答え合わせはできるので、いましばらくは空想を楽しもうと思う。
そうは言いながらも城の方に古い建物はなく(笑)、でも石垣がずっしりとしっかりしていた。城の中を散歩していたら11時少し前、
さて、蕎麦食いに行きますか。

この日はGoogleマップでピンときたお城の近くにあったこのお店に。
まずは、蕎麦前でふんわり時間を楽しむ。

ほんとは暖かい蕎麦にしようと思っていたのだが、店に入ったら板蕎麦がイチオシのようだったのでそれに。

板蕎麦だが、十割と二八が半々で提供される相もりに。
ところで十割って僕は「とわり」と呼ぶのですが、一般には「じゅうわり」らしいですね。じゅうわりじゃ美味しそうじゃないんだけど、そういわれるならそれでいい。
つなぎ無しの十割はなかなかつながらないので、このお店のように極太でうって蕎麦の長さを確保するか、極細だけどある程度切れてしまうのを許容するか、そのどちらかのような気がする。
どっちも好きだけど☆
これを食べてしまったら、この日の「メインエベント」に。
米沢方面の鈍行に乗って30分ほどで赤湯駅に到着。ここには何があるかというと、山形名物赤湯ラーメンの「龍上海」の本店が。

前回の日記のご夫婦(奥方が山形出身)に「龍上海は支店がいくつかあるけど、一番最初は本店で食べてほしい」と言われていたので、この機会にやってきたというわけ。
駅から歩いて20分ほどだったかな、到着を昼飯には少し遅めの13時ごろに調整したのに店に到着すると長蛇の列。でも3巡目で名物の辛みそラーメンにありつく。

地域性なのか、麺は喜多方から山形県南部でよく食べられる中太ちぢれ麺。スープの絡みがいい。
うまいうまい。
喜多方に行くと普通のスーパーにいろんな製麺所の中太ちぢれ麺のラーメン玉が安く売られていて一見の価値あり。会津若松のお気に入り居酒屋がもう10年以上前に閉めちゃったんで、それ以来行ってないけど、また行きたいな。浅草から乗れば東武で乗り継いで行けるんで。東武の株優とか使ったらどれくらい安く行けるんだろうか。
そしてラーメンに満足した後は赤湯というからには温泉に。町の中にある比較的新しい日帰り入浴施設「湯こっと」に。
入浴料300円!愛してる。
きちんと温泉で肌もつるつる、いいお湯でした。お風呂を出たら、入り口に地酒・地ワインの試飲機が。

一杯300円、4杯で1000円。
この方式の試飲機、山形でよく見ますね。八戸でもちょくちょく見たか。
僕は桜水ワインの白、辛口の方をいただくことにする。温泉で温まった体に、すうっと染み込んでいく。

その後5時台の電車で山形に戻りまして、夕飯代わりに、

もう一度。今度はとり天にしました(笑)。
大満足。
追伸
実は冒頭の岩手の花太郎さん、2~3年前に復活していましてね。気になっていたんで昨年入ってみたんです。お若い女性がお二人で切り盛りをされていて、前のおかみさんと何か関係があるんですか?って聞いてみたら、全然関係はなくて、店名そのままで開店したんです、って。看板架け替えとか面倒だったんですかね。
以前の店とはちょっと違うたたずまいでしたが、美味しい料理とお酒を財布にやさしい感じで出してくださるお店でした。前のおかみさんも見に来たことがあるらしく、今もご健在だそうです。長くやられていたお店だったから、今どうなってるか気になるんでしょうね。